趣味や部活動で野球をやっていると、肩や肘への痛み、違和感を感じることがあります。
症状が長引いていたりプレーに支障がでたりしている場合、治療が必要なケースもあるため注意が必要です。
この記事では、野球をする方に発症する「野球肩」や「野球肘」について、症状や原因、治療法などを解説します。
目次
■野球肩とは
野球肩の症状や原因、治療法について詳しく解説します。
◎症状
野球肩では、ボールを投げる動作(投球動作)の間に、肩関節の痛みを感じます。
日常生活には支障がなく、野球ボールを投げるときにだけ支障がでる場合が多いです。
投球動作は、腕を振り上げ始めるワインドアップ期や、腕を後ろに振りかぶるコックアップ期、ボールが手から離れるまでの加速期、離れた後の減速期などに分けられます。
投球動作は一瞬のうちに行われるため、どのタイミングで痛みが出ているかは、自分では判断できないこともあります。
◎原因
野球肩の原因は肩関節の「使いすぎ」です。
投球動作を繰り返すことにより、肩関節に関係する腱や関節、靭帯などが炎症を起こし、痛みが出現するようになります。
特に成長期の子どもに発生しやすいため、部活動やスポーツクラブで野球をやっている方は、投げすぎや肩関節の使い過ぎに注意が必要です。
◎治療
野球肩の治療では、まず投球動作を制限し、安静を徹底します。
関節を動かさないようにし、内部で生じた炎症を落ち着けるためです。
安静後は徐々にリハビリテーションを開始します。
筋力をつけたり、関節の正しい動きを身に付けたりなどして、悪化や再発を防ぐのが目的です。
■野球肘とは
野球肘の症状や原因、治療法について解説します。
◎症状
野球肘では、ボールを投げる間に起こる肘の曲げ伸ばしに伴い、痛みが生じます。
投球中に痛みが出る場合もあれば、投球後に痛みを感じる場合もあるなど、人によって症状の出方はさまざまです。
また、肘関節の曲げ伸ばしができなくなる場合もあります。
◎原因
野球肘の場合も、ボールの投げすぎによる肘関節の使い過ぎが主な原因です。
投球時に腕にしなりがつくため、骨同士がぶつかって炎症が起こり、痛みが出現します。
肘の内側、外側、内部のいずれか、または複数の場所の組織が痛むことが原因です。
◎治療
投球肘の治療も基本は安静です。
組織の炎症が落ち着くまで、投球動作を控えたり、肘関節への負担を減らす工夫を施したりします。
中には手術が必要になるケースもあります。
■野球肩・野球肘の対処法と予防法
野球肩や野球肘の症状が出た場合の対処法と、症状を予防する方法について解説します。
◎対処法
野球肩や野球肘のような症状が見られた場合、安静にすることと、関節に関与している筋肉をほぐすことが重要です。
肩関節や腕の周囲の筋肉へストレッチをかけるなどして、関節の負担を減らしましょう。
また、痛みや熱感が強い場合は、応急処置として患部を冷やしたり固定したりして、炎症を抑えるのも効果的です。
氷によるアイシングや、サポーターの使用などにより、組織への負担を減らしましょう。
◎予防法
野球肩や野球肘を予防するには、日頃の投球数を減らしたり、運合後のケアを入念に行うことが重要です。
運動後に自分でストレッチやマッサージなどを実施し、筋肉や関節へ疲労と負担を残さないようにしましょう。
効果的にケアを行うには、整形外科でリハビリを受けるのも手段の1つです。
理学療法士による専門的なリハビリで、肩や肘のコンディションを保ち、炎症を予防しましょう。
■野球肩や野球肘の痛みには「PRP療法」も効果的
治療を受けてもなかなか肩や肘の痛みが改善しない場合は、再生医療の一種である「PRP療法」も検討してみてください。
PRP療法とは、自分の血液から「血小板」を取り出し、患部に注射する治療のことです。
注入されたPRPは患部の自己再生能力を高め、炎症の起こった組織を修復するのを補助します。
安静やリハビリで痛みが改善しない場合、PRP療法は選択肢の1つとなるでしょう。
当院でもPRP療法を実施しておりますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
■使いすぎによる野球肩や野球肘に注意しよう
野球肩や野球肘は、主に投球動作のしすぎで発症します。
日頃のケアを入念に行って予防し、万が一症状が出た場合は、早めに安静やアイシングなどの対処法を実施しましょう。
『えさき整形外科リウマチ科』では、野球肩や野球肘の治療、予防のためのケアなどを提供しています。
痛みが長引く場合は再生医療もご提案できますので、お気軽にご相談ください。