TOPICS トピックス

野球で肩や肘を痛める「野球肩・野球肘」のストレッチ法や予防について


部活動や趣味などで野球をしていると「野球肩」や「野球肘」になる場合があります。

野球に携わる方は、野球肩や野球肘の予防法を理解しておくとよいでしょう。


この記事では、野球肩や野球肘のストレッチ法や予防方法を解説します。


■野球肩・野球肘とは


部活動や趣味で野球をしていると「野球肩」や「野球肘」になる場合があります。

野球肩は、ボールを投げる際に肩関節へ痛みが生じる「スポーツ障害」の一種です。

投球肩、リトルリーグ肩と表現される場合もあります。


野球肘も同様に、ボールの投げすぎによって生じる肘関節の障害です。

投球動作の間や投球後に痛みが生じたり、肘関節の曲げ伸ばしが難しくなったりします。


野球肩や野球肘は、いずれも「オーバーユース(使いすぎ)」が原因で起こるとされています。

特に身体が未熟な小~中学生のうちは、ボールを投げる回数とトレーニングの強度に気を付けなければ、野球肩や野球肘になってしまう確率が高いといわれています。


野球肩と野球肘の症状や原因については「野球で肩や肘が痛い…「野球肩・野球肘」の治療や症状について」の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。


■野球肩と野球肘のストレッチ法


野球肩と野球肘は、ストレッチである程度予防できる可能性があります。

ここでは、野球肩と野球肘のストレッチ法を紹介します。


◎野球肩のストレッチ法

野球肩のストレッチ法は以下のようなものがあります。


【肩甲骨まわりのストレッチ】


  1. 1.肩幅くらいの棒またはタオルを用意する

  2. 2.肘を伸ばした状態で両端を持つ

  3. 3.両腕を挙げ、頭の上を通過させる

  4. 4.頭の後ろに棒(タオル)が来るまで肘を曲げる

  5. 5.腕をゆっくりともとに戻す


【肩の体操】


  1. 1.両手を肩につける

  2. 2.肩甲骨を前へ回すように10回動かす

  3. 3.反対に後ろへ回すように10回動かす


肩甲骨を正しい位置に戻すストレッチや体操を行うことで、投球動作の負担を減らし、痛みや動きにくさの解消に繋がります。


◎野球肘のストレッチ法

野球肘のストレッチには以下のような方法があります。


【手首のストレッチ】


  1. 1.手をまっすぐ前に伸ばし、手のひらを下に向ける

  2. 2.伸ばした方と反対側の手で指を包むように持つ

  3. 3.自分の方に向けて10秒引っ張り、手の甲側の筋肉を伸ばす

  4. 4.手のひらを上に向けて10秒間引っ張り、手のひら側の筋肉を伸ばす

  5. 5.上記を数回繰り返す


【肩・腕のストレッチ】


  1. 1.腕をまっすぐ上に上げる

  2. 2.肘を曲げ、反対の手で肘を持つ

  3. 3.身体の後ろに向かって10秒引っ張る

  4. 4.脇から腕の裏にかけての筋肉が伸びているのを感じたら力を抜く

  5. 5.上記を数回繰り返す


手首や腕、肩甲骨周りの筋肉をケアし、関節の負担を減らしましょう。

やり方が分からない場合や、もっと自分に合った運動方法を知りたい場合は、医師やリハビリスタッフに相談してみてください。


■野球肩や野球肘の予防


野球肩や野球肘を予防するには、以下のポイントを抑えることが大切です。


  • ・正しいフォームを身に付ける

  • ・筋力トレーニングやストレッチを行う

  • ・投球数を制限する


投球フォームに癖があると、肩や肘に負担がかかりやすくなり、野球肩や野球肘を起こす原因になります。

また、筋力や柔軟性が低いまま投球を重ねることも、関節へ負担をかける要因の1つです。

基礎となる筋力と柔軟性を整え、投球動作の負担を減らしましょう。


ただし、どんなに身体づくりやフォームの見直しを行ったとしても、オーバーユースになれば故障してしまいます。

1日の投球数を制限し、野球肩や野球肘を予防しましょう。


■野球肩や野球肘の治療法


野球肩や野球肘の治療は、投球を中止し「安静」をとるのが基本です。


関節の状態に応じて、1~3ヶ月ほど投球を休止し、肩と肘の調子を整えましょう。

安静中はトレーニングやストレッチ、リハビリによるケアなどを行い、筋力や柔軟性など体力を維持しながら経過を見ます。


安静にしても改善が見られない場合は、手術を提案する場合もありますが、手術後はしばらく野球に復帰できなくなるため、慎重な判断が必要です。


手術せずに痛みや関節の不調を改善したい場合「PRP療法」も治療の選択肢になります。

PRP療法は「再生医療」の一種であり、自分の細胞を使用することで自己再生能力を高める治療法です。

肩関節や肘関節にPRP療法を行うことで、手術せずに痛みや関節の炎症を治せる可能性があります。


当院でもPRP療法を提供しておりますので、興味のある方は受診の際お気軽にご相談ください。


■野球肩や野球肘の予防は整形外科へ相談しよう


趣味や部活動で野球に携わっている場合、肩や肘の不調が生じることはよくあります。

日々のストレッチや基礎トレーニングを意識し、野球肩や野球肘を予防しましょう。


『えさき整形外科リウマチ科』では、野球肩・野球肘の治療や、発症を予防するためのアドバイスを行っています。


状態によっては再生医療を実施し、炎症や痛みの改善を目指すことも可能です。

興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。


えさき整形外科リウマチ科科
医師

⇒院長の経歴はこちら