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子どもに多いスポーツ障害・外傷とは?違いって何?


スポーツをする子どもにつきものなのが「スポーツ障害」と「スポーツ外傷」です。

運動中や運動後に痛みが出ていたり、スポーツのパフォーマンスが落ちたりしている場合、スポーツ障害やスポーツ外傷が生じているかもしれません。


この記事では、子どもに多いスポーツ障害やスポーツ外傷について解説します。

それぞれの特徴や違い、代表的なけがの一覧なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


■スポーツ障害・スポーツ外傷とは? 


スポーツ障害やスポーツ外傷とは、スポーツが原因で起こるけが(スポーツ損傷)のことです。

スポーツ障害やスポーツ外傷になると、運動中に痛みが出たり、体を動かしにくくなったりします。


運動のパフォーマンスが低下するだけでなく、子どもが成長した後も後遺症が残る場合もあるため、適切に対処しなければいけません。


◎スポーツ障害

スポーツ障害とは、長期間スポーツを行うことにより、徐々に痛みや運動障がいが出てくるものを指します。


例えば、走り続けるとすねに痛みが出る、何度もラケットを振ると肩や肘が痛むなど、運動の妨げになる症状が多いです。


スポーツ障害は徐々に症状が現れるものもあるため、発見まで時間がかかる場合があります。

また、痛みをこらえれば運動できることなどから、治療が進みにくいケースも珍しくありません。


◎スポーツ外傷

スポーツ外傷とは、スポーツ中に突然発生したけがのことを指します。

転倒したり相手とぶつかったりなど、明らかな原因があるものをスポーツ外傷と呼びます。

捻挫や骨折、脱臼などはスポーツ外傷の一種です。


スポーツ外傷は大きな力が加わってけがをするため、痛みが強く運動を続けられなくなる場合もあります。

きちんと治療すれば運動を再開できますが、治療中は安静にしたり、運動量を極端に落としたりしなければいけません。


■スポーツ障害とスポーツ外傷の違い 


スポーツ障害とスポーツ外傷の違いは、発生までの期間と症状の強さにあります。


スポーツ障害が長期間かけて徐々に生じるのに対し、スポーツ外傷は一瞬のうちに受傷します。

スポーツ障害はケアやウォーミングアップで予防できるのに対し、スポーツ外傷は予防するのが難しい場合が多いです。

また、発生する機序が異なるため、治療方法や安静期間、治療中の運動制限などにも差が出ます。


なお、スポーツ障害が長期化すると、けがのリスクが上がりスポーツ外傷を発症する場合もあります。

痛みや動かしにくさを自覚した場合は、早めに検査と治療を受け、スポーツ外傷の発生を予防することが大切です。


■子どもに多いスポーツ障害とスポーツ外傷の一覧 


子どもに多いスポーツ障害とスポーツ外傷の代表例を、それぞれ紹介します。


◎スポーツ障害

子どもに多いスポーツ障害は以下のようなものです。


  • ・投球肩(リトルリーグ肩)

  • ・野球肘

  • ・オスグット・シュラッター病

  • ・離断性骨軟骨炎

  • ・ジャンパー膝

  • ・シンスプリント

  • ・腰痛

  • ・疲労骨折 など


スポーツ障害は体の使いすぎで徐々に生じてきます。

子どもの体は特に負担がかかりやすいため、日頃からケアすることが大切です。


◎スポーツ外傷

子どもに多いスポーツ外傷には以下のようなものがあります。


  • ・打撲

  • ・骨折

  • ・脱臼

  • ・捻挫

  • ・靭帯損傷、断裂

  • ・肉離れ など


これらは予防が難しく、痛みや運動への影響も大きいため、おかしいと感じたらすみやかに整形外科を受診するようにしましょう。


■スポーツ障害やスポーツ外傷はなぜ子どもに起こるの? 


スポーツ障害やスポーツ外傷が子どもに多い理由は、子どもの体が未発達であることにあります。

成長期の子どもの筋力が運動量に追いつかず、痛みや故障となって現れる場合があります。

また、柔軟性が不足していたり、運動後のケアを十分に行えなかったりなど、けがをしやすい状態も作られやすい時期なのです。


加えて、成長期の子どもは骨もやわらかく、骨折なども起こりやすくなります。


■スポーツ障害とスポーツ外傷の応急処置 


スポーツ障害を自覚したり診断された場合、運動量を落とすか、安静にすることで症状を落ち着けられます。

治療中は激しい運動は行わず、ストレッチや基礎的なトレーニングを行いましょう。


一方、スポーツ外傷への応急処置には「RICE」と呼ばれる処置を行います。

RICEとは「Rest」「Ice」「Compression」「Elevation」のことであり、日本語にすると「安静」「冷却」「圧迫」「挙上」(患部を心臓より上にあげること)です。


スポーツ外傷が生じてからすみやかにRICEを処置すれば、炎症や痛みを抑えられます。

医療機関を受診するまでの処置として覚えておきましょう。


■スポーツ障害やスポーツ外傷の悩みは整形外科へご相談ください


スポーツ障害やスポーツ外傷は子どもに起こりやすく、それぞれ発症する原因が異なります。

スポーツのパフォーマンスを保ち、後遺症を残さないためにも、痛みや違和感を訴えていたら早めに受診しましょう。


『えさき整形外科リウマチ科』では、お子様のスポーツ障害・スポーツ外傷に関するご相談も受け付けております。

運動時の不調を訴える場合や、スポーツ中にけがをした場合は、ぜひ当院へご相談ください。



えさき整形外科リウマチ科科
医師

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