関節の痛みやこわばり、身体のだるさや熱っぽさがある場合、関節リウマチが原因かもしれません。
関節リウマチは難しい病気ですが、適切に管理することで症状を抑えながら生活ができるケースもあります。
また、どのような人がなりやすいかを理解しておけば、早期発見とすみやかな対処もできるでしょう。
この記事では、関節リウマチの治療方法や、関節リウマチを発症しやすい人の特徴を解説します。
目次
■関節リウマチとは?
関節リウマチとは、関節の中の組織に異常が起こり、変形や炎症が起こる病気です。
詳しい原因は分かっていませんが、免疫が自分の細胞を誤って攻撃してしまうのが原因であると考えられています。
関節リウマチでは、主に以下の症状が出現します。
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・関節の腫れや変形
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・関節の赤みや熱っぽさ
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・関節の痛みやこわばり
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・全身のだるさや疲れやすさ
関節リウマチでは、全身の関節の炎症や変形から、日常生活に大きな支障が出る場合があります。
手や指の変形から身の回りのことがうまくできなくなったり、膝や股関節の変形から歩くのがつらくなったりする場合も。
症状の進行を抑え、なるべく日常生活への影響を減らすためにも、早期発見と治療開始が重要な病気です。
※参照:MSDマニュアル/関節リウマチ
詳しい症状や合併症などはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:関節が痛い・だるい・こわばりなどの症状「関節リウマチ」が原因かもしれません
■関節リウマチの治療法
関節リウマチは完治するのが難しい病気ですが、近年は薬物療法の進歩により『寛解』と呼ばれる病気の勢いを抑えた状態を目指すことが可能になっています。
また、継続的に医師の管理を受ければ、進行を遅らせたり症状を抑え続けたりすることも可能です。
関節リウマチでは、主に以下の治療を行います。
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・薬物療法
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・リハビリテーション
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・手術
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・生活習慣の調整や改善
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◎薬物療法
関節リウマチの症状と進行を抑えるのに、薬物療法を行う場合があります。
抗炎症薬や、必要に応じてステロイド薬などを併用し、副作用の管理をしながら炎症を抑えていくのが目的です。
また、近年では、有効性の高い抗リウマチ薬(DMARD)や生物学的製剤も開発されており、より関節リウマチの症状を抑えやすくなってきています。
◎リハビリテーション
関節とその周囲の痛みを緩和する目的や、日常生活に必要な動きを獲得する目的のために、リハビリテーションも実施します。
痛みを感じる部位に対してストレッチや徒手での刺激を与えたり、関節を支えるために筋力トレーニングを行ったりして、身体機能を維持することが可能です。
また、食事や洗髪を行いやすくするために「自助具」の使い方を学んだり、杖を使用した歩き方を練習したりするのも、リハビリテーションの役割の1つです。
◎手術
関節の破壊が強い場合や、日常生活を自立できないほど症状が強い場合は、手術を行うこともあります。
関節そのものを人工関節に置き換えることで、痛みの程度や動きの改善が期待できます。
◎生活習慣の調整や改善
生活の悪習慣を修正できれば、関節リウマチの症状を緩和できたり、進行を遅らせられたりする可能性があります。
たとえば、喫煙や飲酒は症状を悪化させる可能性があるため治療中は控えるようにする、運動不足や肥満は関節の負担を増やすため運動習慣をつけるなどです。
特に食事療法が効果を示す場合もあり、食生活を改善することが重要であるとも言われています。
■関節リウマチを早期発見・治療開始するには検査を受けるのがポイント
関節リウマチを早期に発見し治療を受けるには、関節リウマチの検査を受けることが重要です。
関節リウマチに対しては、以下の検査を行う場合があります。
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・血液検査
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・レントゲン検査
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・エコー検査
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・関節液の検査
血液中に関節リウマチになりやすい要因がどのくらい含まれているか検査したり、関節のレントゲン写真を撮影し、特徴的な関節の破壊が起こっているかを調べます。
また、エコー検査を採用している医療機関では、早期に関節リウマチを発見できる可能性があります。
発症して間もない炎症も発見できるほか、骨の変形や関節の破壊も視覚的に検査できるため、より早期から診断できる場合があるのです。
さらに、関節リウマチの特徴として、症状が両側性(左右対称に症状が出ること)になることがあるため、痛みやこわばり、腫れが両手や両足の同じ場所に出ているかも確認するポイントです。
※参照:日本整形外科学会/関節リウマチ
■関節リウマチになりやすいのはどんな人?
関節リウマチを発症するリスクが高い人は、以下のような人です。
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・女性
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・喫煙習慣のある人
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・肥満体型の人
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・歯周病の人※
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・近親者に関節リウマチの方がいる人
関節リウマチは男性よりも女性のほうが多く、発症率はおよそ2~3倍と言われています。
詳しい原因は分かっていませんが、女性ホルモンが発症に関わると考えられているようです。
また、喫煙習慣がある方・肥満体型の方などは、関節リウマチを発症しやすくなります。
さらに生活習慣が乱れている方は、関節リウマチの発症リスクがあります。
※歯周病が免疫に影響を与え、関節リウマチの発症に関与する可能性があるとされています。
■関節リウマチの早期診断・治療は当院へご相談ください
関節リウマチは、早期の発見と治療開始が重要な病気です。
早期から治療を開始できれば、症状を抑えやすくなり、病気の進行もコントロールしやすくなります。
診断するには専門医の知識と検査技術が重要となるため、関節リウマチに特化した整形外科を受診するとよいでしょう。
『えさき整形外科リウマチ科』では、関節リウマチの専門的な検査や治療を行っています。
手や足の関節の痛み、こわばり、変形にお気づきの方は、ぜひお早めに当院へご相談ください。