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膝関節症の治療後リハビリとは? APS療法後の運動と注意点を解説


変形性膝関節症の治療にAPS療法を行った方に対し、治療後のリハビリをご提案することがあります。

APS療法とリハビリの併用により、膝関節の痛みをさらに軽減し、再発予防が期待できます。


この記事では、変形性膝関節症のAPS療法後に行うリハビリについて解説します。

運動の内容や注意点、自宅で行えるトレーニングも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


■膝関節症の治療「APS療法」とは?


APS療法とは、変形性膝関節症の治療法として用いられる「再生医療」の1つです。

自分の血液から採取し濃縮したAPS(自己タンパク質溶液)を膝に注射することで、炎症が抑えられ痛みが緩和します。


APS療法は、自分の体の組織を使用して再生能力を高める、いわば「自然な治療法」です。

そのため、薬の服用や膝関節へのヒアルロン酸注射、人工関節への入れ替え手術などに抵抗がある方にも適しています。


リハビリや薬の治療で痛みが改善しなかった方や、手術が怖い・不安、あるいは希望していても受けられない方にとって、APS療法は選択肢の1つとなっています。


変形性膝関節症に対するAPS療法の詳しい情報は『切らない・手術をしない膝関節症の治療|「APS療法」とは?』の記事や、当院の診療案内でも詳しく紹介しているので、興味のある方はご覧ください。


■膝関節症のAPS療法後に行うリハビリ


膝関節症のAPS療法後にリハビリを行うことで、さらなる痛みの緩和や再発予防が見込めます。


膝関節症のAPS療法後に行うリハビリの種類は、主に以下の内容です。


  • ・ストレッチ

  • ・筋力トレーニング

  • ・歩き方や生活方法の修正


それぞれ詳しく見ていきましょう。


◎ストレッチ

APS療法後の膝関節に対するリハビリとして、ストレッチを行う場合があります。


膝関節症になる方は、関節周囲の筋肉がこわばっている方も珍しくありません。

ストレッチを行うことで膝関節への負担がやわらぎ、動きがよくなる効果も期待できます。


特に、膝関節症の方は膝がまっすぐに伸びなくなる方が多いため、太ももの裏側や膝裏の筋肉をストレッチするのが効果的です。


◎筋力トレ-二ング

筋力トレーニングを行うことも、膝関節の痛みの軽減と再発予防の効果が期待できます。


痛みや関節の動かしにくさから歩く頻度が低下していた場合、筋力が低下し、関節へさらなる負担がかかってしまいます。


膝関節を支える筋肉をトレーニングすることで炎症の悪化や再発を予防し、痛みの軽減によって日常生活の動作を楽にできるよう取り組んでいきましょう。


※参照:MSDマニュアル/変形性膝関節症


◎歩き方や生活方法の修正

歩き方の修正や、生活における膝関節の使い方の修正も大切です。


長らく膝関節症の痛みに悩んでいた方は、痛みを避けるような歩き方が身についている場合があります。膝関節に負担のかからない歩き方や、正しく筋肉を使う歩き方を身に付け直すことで、関節の負担を減らせるでしょう。


また、正座や深いしゃがみ込みなど、膝関節に負担のかかる足の使い方を修正することも大切です。生活スタイルに合わせた膝関節の使い方を身に付け、炎症の再発を予防しましょう。


■APS療法後のリハビリにおける注意点


APS療法後は、すぐに強度の高い運動をせず、膝関節に負担の少ないリハビリから開始することが大切です。


APS療法後は腫れや痛みなどの症状が出現する場合もあるため、治療後しばらくの間は負担の大きい運動を避けることになります。


治療から2週間程度経過し症状が安定していればスポーツなどの負荷のある運動を行えるようになる場合もあります。それまでは軽めのトレーニングやストレッチなどにとどめましょう。ただし、個人差があるため、スポーツを行う場合は医師に相談するのが安心です。


APS療法後の膝の状態に合わせたリハビリを行うには、理学療法士に相談するのが適しています。

整形外科に所属する理学療法士のアドバイスを受けながら、自分の状態に適したリハビリを行いましょう。


■膝関節症のAPS療法後に行う自主トレーニング


膝関節のAPS療法後、自分で行えるリハビリやトレーニングもあります。

なかでも簡単に行えるのが、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のトレーニングです。


【大腿四頭筋トレーニング】


1.床に足を伸ばして座る

2.膝の皿の下にタオルを入れる

3.足首を反らしながら、膝裏でタオルを潰す

4.10秒間キープした後、力を抜く

5.上記を10~20回繰り返す


大腿四頭筋は、膝関節の安定性に関わる重要な筋肉です。

上記のトレーニング方法であれば、術後に開始でき、自宅でも簡単に行えます。

空いた時間にトレーニングを反復し、膝関節を支えられるようにしましょう。


■膝関節症のAPS療法後は専門家のもとでリハビリを行いましょう


膝関節症へAPS療法とリハビリを並行して行うことで、痛みの緩和や再発予防が期待できます。

APS療法で炎症の改善を図りながら膝関節の状態を整え、より快適な生活をおくりましょう。


『えさき整形外科リウマチ科』では、膝関節症に対するAPS療法やリハビリを提供しています。膝の痛みを解消したい方、APS療法やリハビリに興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。



えさき整形外科リウマチ科科
医師

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